BOOK LIFE

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本好きのオーディオブックの使い方

本好きにとってのオーディオブック

 電子書籍での読書も一般化してきた今、紙の本を持ち歩いて電車での移動中や何かの待ち時間に読む、という人は減少してきているかもしれません。私はといえば紙の本が好きで、自宅には1000冊ほどの本があります。ただ紙の本しか読まないというわけでもありません。どうしても電子媒体の画面でテキストを読み進める電子書籍には慣れることができないのですが、耳で聴くのであれば話は別です。

 耳で本の朗読を聴く、いわゆるオーディオブックは読書とはちょっと用途が異なります。私にとってのオーディオブックの良さは、移動しながら本の内容を聴ける点にあります。

歩きながらの読書はオーディオブックだけ

 田舎道のように人とあまりすれ違わない場所であれば歩きながら紙の本をめくることも可能ですが、さすがに電車のホームを歩きながら、あるいは自転車で駅まで向かっている最中に読むのは危険です。その点、オーディオブックは歩きながらでも自転車をこぎながらでも満員電車にゆられながらでも聴くことができます。紙の本に加えてさらに読書の時間を増やしたい、という時にはもってこいのツールなのです。

読書が苦手な人でもラジオ感覚で読書

 紙の本を読むのが苦手な人でも読書ができる点はオーディオブックのまた違う良さです。自分で活字を読み進めなくても、いい声のナレーターさんによる朗読が勝手に進んでいきますから、ラジオのように効いているだけでいいのです。オーディオブックのアプリは聴く速さを調整できますから、ゆっくり聴きたい、反対に速読のようにして倍速で聴きたい、という要望にも応えてくれます。

物理的に所有する必要がない

 私の場合、いろいろなジャンルの本を読みたいとは思うのですが、自宅の本棚に呼んだすべての本を置いておきたいとは思いません。本棚に置いておきたいのは、時間が経ってからまたもう一度読むかもしれない本、何かの機会に参照するかもしれない本、内容や作家が好きでコレクション的な感じで常に所有しておきたい本、などだけです。それ以外の本は読み終わってもう持っている必要がなくなれば、古本屋に行って売ってしまいます。ある意味、処分するときは少し無駄なことをしているなあと感じる事もあります。このケースでもオーディオブックが非常に役立ちます。オーディオブックはデータをダウンロードして聴いて、必要がなくなればデータを削除すれば済みます。ですので最近は、はじめから本棚に入れることはないと思っている本は、できるだけオーディオブックで購入して読むようにしています。

オーディオブックに適したジャンル

 もちろんオーディオブックがいいか紙の本がいいかは本のジャンルによっても異なります。移動しながらオーディオブックを聴いていると、どうしても聴き逃してしまう部分も出てきます。長編小説を読んでいて途中で空白がでてしまうと、流れを失ってその先が全く面白くなくなってしまいます。ですがハウツー本や何かの解説本などであれば、そもそも最初から順番に章を読み進める必要がない本が少なくありません。そうしたジャンルの本にはオーディオブックが非常に適しています。

 小説がオーディオブックに向いていないという意味ではありません。短編小説であれば10分や20分の朗読で終わってしまうこともありますから、私はよく空いた時間を埋められそうな短編小説を選んで聴いています。紙の本で買うとなると、目的とする短編小説以外の短編小説も本のコンテンツになっていることがほとんどですが、データであれば欲しいコンテンツだけを入手できるという利点もあります。

聴き放題がうれしい「audiobook.jp」

 ちなみに私が利用しているのはオトバンクが提供する「audiobook.jp」です。個別のオーディオブックを購入することもできますし、月額の聞き放題を契約して好きな本を好きな時に聴くということもできます。聞き放題のコンテンツは結構充実しているので、私は聴き放題を利用しつつ、新刊本など聴き放題のコンテンツには含まれていないけれども読んでおきたい本があるときは、別途個別に購入して聴くようにしています。

オーディオブック聴き放題なら - audiobook.jp

 音楽やラジオを聴きながら通勤したり寝る前にリラックスしたりするのもいいですが、聴きながら新しいことを学んだり短編小説を聴いて楽しむのも悪くないですよ。